「気まずい思い」と「恥ずかしい思い」

消防団員で広報マン

 螢が舞い飛ぶ季節になりました。何と、この“お便り”なるものを出し始めて1年が経ってしまいました。最初はB5サイズの紙1枚にくだらぬことを書いて出していましたが、生まれ持ちたる自己顕示欲が災いし4枚も5枚もくだらぬことを書き「くだらぬ」×4=「4倍もくだらない」お便りを出している今日この頃、いかがお過ごしでせうか。(意味のないフレーズだ!)

 さて先日、釈迦郡の3町(曼荼羅町、毘沙門町、浄土町)で、主にPTAのお姉さんたちを対象に、うふっ、広報研修会なるものを開催しました。なんと、講師は賀古町の中敏サン。賀古町の中敏サンといえば、県内では泣く子も泣きじゃくるという広報マン。中敏サンには以前、何度かお目にかかったことはあるだども(おっと、これは東北弁)お話をしたことはなく、有名な人であるだけに一抹の不安がありました。

 ところで、研修会はそれぞれの広報担当者で分担し、私がカメラマンで他の2町は受付。毘沙門町の田仁さんから「ウチの広報7月号に載せるから、ちゃんと撮っといてよ」と言われ、演台で話す中敏サンの背後から首を絞め、じゃなくて、シャッターを切りまくっておりました。んが、現像に出そうかとカメラを開けたところ、フィルムが入ってない、ない、ない、ない、な~んにもない、当然、写真が撮れてない。やはり、一抹の不安は的中しました。しかし、もしもの時のコンパクトカメラで、遠景を3枚ほど撮っていたので何とかなりそうです。(ならなかったらどうしよう……田仁さん怒るだろうな~)

 閑話休題(あだばなしはさておき)、皆さん、広報担当者になって気まずい思いをしたこと……ありませんか?例えば、イベントで写真を撮っていて「ウロウロすんなボケェ」と怒られたり、テレビ局クルーのカメラでゴツンとやられ「邪魔」と言われたり、また、広報紙に載せた人から「どうして、もっと色男に撮ってくれない」と小言を言われたり。「どうもスイマセン」と笑いながらも「うるせえ」「取材してんのはお前らだけじゃねーぞ」とか「てめーを色男に撮れるワケがねーだろ」心の中でと叫ぶこと…ありませんか?僕はないです。(一応、そうしておこう)

 昨年の7月、広報の仕事で遅くなり(本当はパチンコしてたりして…)、お店で食事をしていたときのこと。半分ほど食べ進んだころ、汗だくの消防団がお店に入ってきました。ポンプ操作方法大会の練習を夜遅くまでやっていたのです。「ウス」「こんばんは」。私は広報マンで顔もどちらかといえば目立つほうなので、彼らは私を知っていました。「ヒー、暑い、暑い、ビール。生5杯ね」早速ビールを注文する消防団員。そのとき「ここでビールを4~5本、おごったらカッコいいだろうな」という考えが、ふと頭をよぎりましたが、財布の中身が乏しく(パチンコで相当負けていたりして…)できませんでした。

 と、店員が消防団員のところにキリンラガービールを5本運び「あちらのお客様から」とこちらを指さしています。「えっ?」と思ったとき、消防団員の1人が「いやぁ~泰平さんスイマセン」と言っているぢゃありませんか。「ボボボ…僕じゃないよ」。そうです、私の後ろの消防団員OBからのおごりだったのです。「スミマセン」とまで言われ、私はとても気マズイ思いになり逃げるように店を出ました。何だか、背中に「ケチ」の烙印を押されたみたいで…。私は心の中で叫びました。「今日は、お金がなかったんだ~」と…。

 ちなみに、イヤな思いとして「気マズイ思い」と「恥ずかしい思い」があります。先日、酒を飲んでいるとき、そこのマスターが「恥ずかしいとか悪いとか、後ろめたい思いがあればあるほどスリルがあって興奮するぞ」と浮気の話をしてくれました。恥ずかしいという感情は、年を重ねれば重ねるほど欠落していくそうで、私も少しずつズーズーしくなってきましたネ。しかし「恥ずかしい」という感情をたいせつにして、いつの日かとてつもないコーフンを味わいたいと思っています。(何を考えていることやら)

(平成3年7月(中)に続く)

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