「馬鹿」以外の言葉が見つかりませんでした

ぐちぐちぐちぐちぐち……

 そのうち「んふっ、んふっ、僕はポチャポチャっとした人が好みなんですよ」そういえば以前、彼が太めの女性を車に乗せていたのを見たことがあり、てっきり“女性の好み”のことを言っているのかと思いました。「そー言えば、君の彼女はポッチャリ型だったね~。えーい、チクショウ、半分よこせ」などとくだらんことを言っていました(どうやらそのころから、私はモテなかったようだ)。と、彼は重い口調で「泰平さん、この前、彼女にフラれましてねェ」と言いました。「えっ、そっかぁー、そりゃあ悪いこと言っちゃったなー」となぐさめにかかると「いやぁ、いいんですよぉ、ポチャポチャっとしてたら男でも女でも…」。

 「えっ」たじろいだ時はすでに遅く、私に抱きついてくるじゃありませんか。「おい、冗談だろ」「泰平せんぱーいっ」「おい、よせ」「泰平さーん」「馬鹿、よせ」「泰平さーん」「うわっ、うわわわっ」前に説明したように、こいつは柔道で鍛え上げた立派な体格の持ち主です。ベルトを締めたままのGパンがお尻の半分まで引きずり降ろされ、顔をガードする腕も難なく突破され、唇を奪われてしまいました。

 一緒にいた連中が止めてくれたからよかったものの、男性に無理やり乱暴される女性の気持ちが痛いほどわかりました。「はあっ、はあっ、はあっ」「た、泰平さん」「はあっ、はあっ、馬鹿」「やっぱり、女の人のほうがイイですネ」「馬鹿、馬鹿、馬鹿」馬鹿という言葉以外のことばが見つかりませんでした。今は、付き合っている女性が2人もいるそうなので安全なのですが、私の身の回りの危険人物の1人です。

 まあ、この話は終わりにして、先日、治自労岡福県本部の書記から電話がありました。「いや~、泰平君おめでとう」「へっ?」特に人から「おめでとう」なんて言われるようなうれしいことなどなかった(強いて言えば子猫が生まれたくらい)ので、もしや、知らないところでオレの縁談が決まってしまったのかな?と思ってしまうボクは、楽天家?「へっ、はないだろう。7月1日号の地自労新聞だよ」「へっ?」「本当に見てないの?載ってるよ、治自労まんが大笑で“うまいで笑”に入選しているよ」「へっ?」ちなみに、僕はそのコンクールに応募した覚えはないのです。

 「ボク、知らないっすョ」「う~ん、実は以前、君に治自労新聞用に描いてもらったマンガを県本部のほうで勝手に応募させてもらっていたんだよ、君も全国に名前を売ったねェ」「全国に名前が売れた」という言葉の響き、自己顕示欲をくすぐられ、何かいいもんです。早速、組合の教宣部長のところに行って見せてもらうと、身に覚えのあるイラストが載っています。「なになに、賞金が1万円。11月には秋田県で行われる教宣大会で表彰されるのか…」うーん、オイシイ話ではないですか!

 この話を聞きつけた同僚は「パーッっと飲みに行こうぜ、泰平のオゴリで…」などと言い「土産はリンゴ1箱でいいよ(秋田県にもリンゴはあるのかな?)」などと厚かましいことを言う始末。先々月の「HNKビデオ研修の案内」の写真と今回のマンガの入選で、全国津々浦々のうら若き女性から「ワタシ、泰平さんのお嫁さんになりたい」という申し込みがドット来たらどうしようと、思い悩む日が続きます。

 さて、曼荼羅町も人口が5万人を超え「市制」「市制」との声に、クソ忙しい日が続き「似顔絵を描いて」という革安手町の石立氏のリクエストにもなかなかと答えることができず、モンモンとした日々を 送っています。何かあったらお便りください。(田佐町の水也田さんのお便りは、本当に大笑いさせられました)

曼荼羅町 秘書広報課 広報公聴係
係長:篠原 清澄  兵隊:泰平 楽(1991年7月30日)

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