♪生ビールが、あるうじゃなぁーいか♪

筋肉質のチャー坊

 7月もあとわずか。“やせるお茶”を飲みはじめて1か月。お茶の効能は、喉ごしさわやかな生ビールのカロリーに打ち消され、体重が増えなかっただけでも儲けものと思っている今日この頃です(ああっ、意志薄弱)。

 これというのも、すべては暗室が悪いのです。この夏、毘沙門町の海辺ではハイレグ姿のお姉ちゃんたちがカニとたわむれながら健康的な汗を流しているというのに、冷房が効かない室温が35度を超える暗室の中で、鼻をつく酢酸のニオイに咳き込みながら写真を焼き付けていると不健康な汗が、滝のように流れるのです。2時間も入ろうものなら、頭クラクラ。コカイン中毒とは違い、ハイな気分にはなりません。そのとき、頭の中で細川たかしの歌声にのせ、あのメロディーが流れるのです。“生ビールがぁ、あるぅぢゃなぁーいかぁ~っ”。

 やっとのことで、暗室の地獄から解放されたかと思うと、今日は颱風の影響で、停電。冷房が切れた事務所で、額からじんわりと汗が流れはじめると、また、あのメロディーが頭の中で……。(ああっ、なんて弱い意志だ)。だいたい、喰いしん坊で飲ん兵衛の私が“やせよう”などと考えることに間違いがあるのです。どうして、やせようなんて思ったんだろう。あーっいやだ、いやだ。やっぱりうまい物食って、うまいもの飲んで、そいつが幸せってもんですよ。(おいら、うっかり八兵衛か?:高橋元太郎さんの…)

 先日も、いけないとは思いつつ、おいしいお酒を飲む会に行きました。その日は吟醸酒ばっかりという、うれしい会でした。ほーっ、ほっほっほっ。忘れられない「緑川」「香露」「三井の寿」の大吟醸。これでやせられるワケがない。

 さて7月は、友達が3人も結婚しました。畜生。そのうちの一人の先輩は、10歳以上年下のカワイイお嫁さんをもらい、うらやましく思っています。親は「いいねぇ、人の結婚式に出席できて…、早く、人を招待できる立場になってほしいネェ」などと嫌味の連発。「うん、そのうち…」が口癖になったボク。さて、その先輩の結婚式には私の後輩も出席しておりました。太い眉毛に凛々しい顔立ち、柔道で鍛えたマッチョな体形。さぞや女性にモテようかというような風貌です。んが、しかし、27歳にもなるのに何となくキャピキャピしており、飲むと「チャ~坊って呼んで」という、馬鹿なヤツです。

 いやいや、それだけなら許せるのですが、8年前、コイツにひどい目に遭わされているのです。当時、大学生だったこの男。この男のお兄さんは懇意にしている先輩で、よく知っており、地元出身で小学校から大学までずっと後輩だったこともあり、兄貴分のような立場で「いいかぁ~、大学生活はエンジョイしろよォ~」などとエラそうなことを言いながら酒を酌み交わしておりました。「は~い、わかりましたセンプァ~イ」返事は素直だが、どこかおかしい彼でした。

(平成3年8月(下)に続く)

Follow me!