色情(ゐろごと)は、つゝしむやうに……

北海道はうまいどー

 秋も深まり過ぎ、朝夕がめっきり寒くなり、布団から出るのに”根性”と叫んでしまいそうな季節になりました。もうすぐ、師走。

 12月号は11月7日から原稿を印刷所に渡さなくちゃならないというのに、5日から9日まで青森県三沢市に行ってきました。広報紙を交換させていただいている浦深町にも、時間があったら寄ってみたいと思っていましたが、方向が逆だったので断念しました。労働組合の出張とはいえ、表彰式だったので終わったあとは十和田湖で遊覧船に乗ったり、地酒「つがるおとめ」を飲んだりと、楽しく過ごしました。

 印刷屋の写植担当者が「打ち込む原稿が来ないぞォー」と叫んでいるに違いない、早く帰って仕事に復帰しなければ…と思いつつ、帰りの飛行機の切符が取れないことに「ラッキー」と感じながら、結局、青函トンネルを渡って函館から飛行機に乗ることに…。食べたくもないイクラ丼やイカソーメン、毛ガニ、ホタテなどを喰らい、サッポロビールクラシックで流し込む。た、た、たまらん。

 ちなみに、十和田湖の神社でおみくじをひき「旅行=色情(ゐろごと)は、つゝしむやうに」と書いてあったこともあり、色情なしの食い放題の日々となりました。(色情に“いろごと”とルビが売ってあったのがニクいねェ)しかし、うまいものを食べるとどうして幸福な気持ちになるんでしょうか?ウニ丼なんかを口いっぱいに頬張ると…もう、思わず笑ってしまい「うまぁー」という言葉が口からこぼれ落ちます。酒池肉林の時を過ごし、毛ガニの甲羅の裏のカニ味噌の味をしっかり記憶に刻み込み、帰ってきました。

 ところが、一切、色情がなかったと言っても、だれも信じてくれません。(本当になかったと、言えば言うほど信じてもらえない。別に、信じてもらわなくてもいいんだけどネ)そのうえ、後輩の泰平(同姓の企画課職員)は、先月号のお便りで書いたこと(泰平まちがいで、後輩の彼女の電話を私が受けてしまったこと)を根に持ち「楽さんに、色情(何度も書くが「いろごと」と読む)がなかったなんて、絶対にない。この人ほど好き者はいない」と断言する始末。(後輩から、しっかりナメられとります)

 それだけならまだいいが、後輩の光野まで参戦し「変態の泰平さんに限って(おいおい、そこまで言わんでよろしい)色情はあったはずだ。きっと青森のリンゴ娘を相手にSMプレイをしたに違いない。俺は知っている、楽天さんはMだ」とまで言う。ちなみに仲が良いとは言っても、光野とは今まで1回しか飲みに行ったことしかないのだが……。

 さて、12月に「彼女がほしいよの会」の裏切り者、元メンバーの丸金小竜馬さん(別名:マルキン竜馬または、ウルトラマン竜馬とも呼ばれる先輩)が結婚する。曼荼羅町役場では、いつのころからか職員が実行委員となり「結婚式」を行うというシステムがある。多くの職員が参加し、飲んで歌って大騒ぎをする(やっぱり、田舎の役場なのかな)。

 今回、思い出のスライドを担当するのが光野である。スライドはストリー仕立てで展開する。今回の内容は、山一組(山本新一(税務課)組長)と変態組(太平楽組長)の抗争事件をきっかけに、映画「仁義なき戦い」風の物語が展開するとかで、とても不愉快である。「お前たちが変態呼ばわりをするから婚期が遅れる」といえば、「泰平さんは、女の子に対して努力が足りない」と逆に説教される始末。(当たっているだけに、反論できない)

 しかもストーリーの展開上、上半身裸で網タイツを履き、パンティーを頭にかぶって嬉しそうにムチを振り回す姿(おれ、Mなんだけど…)を写真に撮られ、とてもはづかしい。しかも悪いことに、私・泰平もやる気満々になっており、タチが悪い。「いやー、こんなことやってくれる先輩は泰平さんしかいませんよ。頼りにしてます」褒められているのやら、馬鹿にされているのやら、31歳の独身男性が率先してするこっちゃない。

(平成3年12月号(下)に続く)

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