赤い誘惑…クリスマスパーティーでは、乾杯要員

必要なものは、手の届く距離にある

 この光野という男、たいへん嫌な奴で、先日も「泰平さん、宮沢りえの写真集、観ました?」と尋ねてきた。「うんにゃ、観とらん」「きれいでしたよ」「…み、見たのか?」「はい」「ま、まぁ、プロが撮ってるからきれいだよなァ…」「いやぁ、18歳というのはお肌がピチピチしてますねェ」「ふ、ふーん」「観ます?」「あるのか?」「見たいでしょう?」「…べ・別に…」「きれいですよ」「しかたがない、観てやろう」「じゃあ、見せるのやめます」「……」「本当は、見たいんでしょ?」「……うん…見たい」「正直に言えばいいものを…」「じゃあ、見せてくれ」「いやです」「どーして?」「ここには、ありません」「ないのか?」「知り合いが持ってるんです」「誰だ?」「教えてあげません」「永岩か?」「ちがいます」「正井か?」「ちがいます」「誰だ?」

※作品を鑑賞は「観る」、好機心でのぞき込むのは「見る」で書き分けています。

 「何か、ガツガツしてません?」「してないよ。で、誰だ?」「浄土町の也口さんです」「也口…かぁ」この浄土町の也口君は、数年前まで広報を担当していた男で、私が言うのも何だけど、ものすごくエッチな奴。小柳ルミ子はもちろん、樋口可南子の写真集を所蔵しているといううわさもある。酒癖悪く、かわいい女の子にはすぐに抱きついて、はなれない。旅行のときなど、平気で女風呂に入ってくるなどとのうわさも聞く。(意外とモテるのが、また、悔しい)「ええ、あの也口さんです」「そうか……也口君かぁ…」「今度、借りてきてあげましょうか?」「う~ん、さすが、君はよくできた後輩だ…」……楽しみです。

 さて12月といえば、ボーナスや人事院勧告の差額支給など入ってくるお金が多く、懐がホクホクの月です。しかし、油断してはならない。年末、あのキリシタンどもの催し、クリスマスがやってくる。特に、パーティーとかいう会合は「若者を堕落させるアヘンのごとき誘惑」にほかならない。ダライラマ14世だってそう言っている(ウソだピョ~ン)。丸金小氏が「彼女がほしいよの会」を脱会せざるを得なくなったのも、一昨年前のクリスマスパーティーが原因だ。当会の会長である私については、あくまで、お付き合いで参加はするが(参加するんかい?)、赤い誘惑に惑うことなく強い意志で、これを受け流してきた。(単に、モテなかっただけ?言っちゃあおしまいだよ)

 しかし、30歳を過ぎるとクリスマスパーティーに参加しても、年齢的に上の方になり、へたすると「乾杯」させられたりする。だんだんと、参加しにくくなる状況になってきている。気持ちは若いんですけどね(年寄りがよく言うフレーズである)20歳くらいのころは太ってなく、髪を肩まで伸ばしていました。当時は、そこそこモテていて「泰平クンの奥さんになったら幸せだろうなァ」などと女の子に言われ、今ならそのまま手をひいて結婚式場に連れて行っちゃうんですが、当時はまだ若かった。「そお?」と笑顔で応答しながら「何かヤバいぞ」などと考えていました。あーっ、もったいない。

 今年のクリスマスは、どうしよう?今じゃもう、山下達郎のクリスマスソングなんて似合わないし、軍艦マーチに乗ってパチンコ玉でも打ってみようか……。暗い話になり、多少、落ち込んできたので、ここで筆を置きます。

広報まんだら 担当:泰平 楽(’91.11.25(水))

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