(焼き)ハマグリが好き!

ふっふっ、取り乱しやがって

 わっはっはっ、今日、2月号の広報紙の原稿をすべて入稿したのぢゃ。お正月があって、なかなか原稿がそろわず、結局、日曜日も休むことができず、毎日、遅くまで残業。ふっふっふっ、写真割付が終わったら、思いっきり休んじゃうんだもんね。

 さて、今月の話題は“AIDS”。そう、心当たりのある人は背筋に冷たいものが走るという、あの不治の病、エイズです。(何故か、背中がゾクゾクするぜ)町内の泌尿器科の先生が、飲み屋でポツリとつぶやいたことから、この話は始まります。「中洲でエイズ患者が出たらしい、50歳代のオカマ君らしく…(中略)…エイズ情報は、うちの科の医師には提供されるんだ」こういうウワサは、ああっという間に広がるもので、地獄耳の泰平ちゃん(Hei!もうすぐ32歳だじぇ、嫁っ娘コイコイ)の耳にも届いたのでした。

 普段は口が堅く「(焼き)ハマグリ」と言われている私・泰平(Hei!!だんだん髪の毛が薄くなってきているぢぇい、若い娘スキスキ)。役場の中のスケ兵衛たち(彼女がほしいよの会会員、及び予備会員)がどういう反応をするか実験(言って回る)してきました。

【下水道課R君の場合】「ええ!!本当ですか!!」(窓口のお客さんも振り返るほどの大声)「ど・ど・どこの店ですか?」(顔はマジ、声も少し上ずっている)「さあ、よく知らんが、オカマらしいぞ」「そ、そうですか……オカマですか…」(少し安心した感じ)「うん、テレビで言うとったが男女間でも感染するらしいから、キミも気をつけたほうがE~よ」“ふっ、アホが…取り乱しやがって”憐れむように後輩の様子を伺う泰平ちゃん(Hei!!最近はお見合いの話も、めっきり少なくなってきたジェ。うっ)「…で、泰平さんは大丈夫なんですか?」「もちろんだよ」「本当ですかァ、何か声が白々しいですよ」「ばかもの…」「ちなみに、オカマとホモの違いって何ですか?」「んなこと、知るかい」「本当ですか」「ばかちんが…」しつこい男である。

【福祉課R君の場合】「……ゲッ!!」(絶句)「ふっふっ、どうやら心当たりがあるようだねェ、R君」(勝ち誇った声)「いえ、ないですよここ2~3年は…」(あっさり否定するR君)「ほんと?」「ええ、彼女がいるんですよ。いくら風俗だからって、彼女を裏切るようなこたあしませんよ、ははっ…」「か・か・か・彼女ォ…?歳はいくつや?」「ええっと、20歳ですよ」「ふ、ふんっ、エイズの潜伏期間は4~5年あるそうだから、せいぜい気をつけるこったな」(捨てゼリフの泰平)

【前広報係長T氏の場合】「わははははは…、そうか」(意外や意外、あっけない反応)「心配はないんですか~?」「ばーか、失礼なことを言うな、お前らとは違うぞ……で、どこの店?」(さすがは40歳も近くなると、聞き出し方も小狡くなっている)「さあ?どこの店かは知りませんが、50歳代のオカマだそうですよ」「はーっはっは、そうか、オカマか……、はっはっはは」(聞くところによると、T係長はオールマイティー…らしい)

【下水道係長N氏の場合】「へーっ、ついに中洲でもエイズ患者が出たのか…」「そうらしいです」「気をつけなくっちゃね。やっぱり…(とても聞くに堪えない具体的な内容なので…中略)のようなヤリ方をすれば、伝染る可能性は低くなるんじゃないか?」「さァ、僕は独身なので技術的なこととか、テクニックとか言われてもよくわかりませんが…」「でも、血液による感染だと聞いているので(とても聞くに堪えない具体的な内容なので…中略)は、やっぱり危険な行為と言えるね」(ううっ、何か奥さんが可哀相な気がする)。

【ニューもんもん太郎A嬢の場合】「いままで、この街で出なかったのが不思議なくらいだワ」「そんなもんなんですか?」(キャバレーでも若い女性には及び腰の泰平君(Hei!!もう何も言うこたァねえぜ)は、ちょっと遠慮がちに聴いてみた)「このまえ、日本十字軍の人に聞いたんだけど、献血のときはエイズ検査をするらしいわよ。でね、もしそういう反応が出たときは厚生省に登録されるんだって。でね、保健所から本人宛に“病院に行きなさい”って手紙が来るの」「本当ですか」「よくわからないけど…らしいわよ」

 1月10日、釈迦郡3町の広報担当者3人で中洲に飲みに行きました。1件目のお店が、この“ニューもんもん太郎”。一番若い浄土町の竹梅君は少しだけ二枚目で、俺らよりはモテる。彼女もいると言っていた。ボックス席には3人の女の子がついたが、竹梅君が2人を独占してしまった。「遺憾、遺憾なァ~」毘沙門町の田仁さんと私は、いじけていた。2人の女の子にチヤホヤされてご満悦の竹梅君「先輩…、僕がキャバレーに行ったことが彼女にバレると怒られちゃうんで、秘密にしといてくださいよ」と懇願する。「誰にも言わないよ、言うもんか、俺たちゃ口が堅いんだ。釈迦郡の焼きハマグリペアと言われてんだ」(熱が加わるとパカッと口を開けちゃいます。開かないときは、死んで腐っています)

(平成4年2月号(弐)に続く)

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