最近は、どうも若い連中と話がかみ合わない

トドに乗る

 逆に、外国人が考える日本の飲み屋さんってどんなイメージだろう。ものすごいことを考えていると思うとワクワクします。「スナックジャポ~ネ」入口にはトヨタの「将軍」という超ハイスペックの車両(霊柩車)があり、いたるところに盆提灯が下がっている。店の女の子は「ゲイシャ」ママは「マダムバタフライ」マスターは「ドウシン」と呼ばれ、2本の刀を腰に差す。板前は蝋燭が2本立ったハチマキを頭に巻いて寿司を握り、ショータイムは角兵衛獅子。みんな歌舞伎のような派手な化粧をしているが、料理を運ぶ「ニンジャ別名シノビ」だけはスッピン…というより顔が見えない。

 お客さんは日本人になりきるため、丸眼鏡をかけ、テープを貼って目を吊り上げなければならない。なぜか出っ歯の人には割引がある。料理は、口を開け「あ~ん」と言えば、ゲイシャガールが食べさせてくれる(韓国の妓生ハウス風…東アジア文化がゴチャゴチャ)。店の奥には火が焚かれ、お坊さんが呪詛を唱えながらお札を焼く。何か、ゾクゾクしませんか?何となくマニアックで危険な香りがする話になりましたが、想像すれば限りがありません。もし、そういうお店があったら、ちょっとだけのぞいてみたいものです。

 さて、話は戻りますが…友人の基原氏は大学卒業後、病気がちなことと就職難を理由に、アルバイトもせず5年間にわたってプー太郎を決め込んでパチンコ生活をしていましたが、ついに損害保険会社に就職。しかし、毎朝、早起きをして会社に行くのが辛いとの理由で、いきなり代理店を立ち上げて独立。経営者になっていたのです。金銭に対する欲が少なく「食べていくだけの収入があればいい」という人で、一定の契約を取れば遊んでしまう。しかし気がつけば、私、いくつかの契約書にハンコを押していました(結構、やり手だったりして…)。そんな彼が、先月28日(青焼校正中)にフラリと役場に立ち寄り「遊びに行こう」と誘います。

 「カニが食いたい」の提案でカニを喰らい「何もすることない」の不満にパチンコ屋に行くも、ちょっとした家電が買えるくらいの大負け。後悔しながらも「パスタ食いたい」の提案でパスタ屋さんに…。土曜日の夜32歳の男2人が、たくさんのアベックがいる店でチュルチュル音を立てながらパスタを食っている風景はいただけません。しかも基原氏が「麺が茹で過ぎ」とか「珈琲が水道水臭い」とか「この店42点」とか「彼女をデートに連れてくる店じゃねー」とか「天神町(てんじんのちょう)の〇〇のほうがうまい」などとブツブツ言い続けるもんだから、アベック(特に男の子)はイヤな顔で店を出ていく。

 「最近、どーも若い連中と話が合わなくて…」(文句をタレながらもパスタはペロリ)と基原氏が続ける。年齢差があるほど価値観がズレてきているのはウスウス感じてはいたが、そのズレが大きくなり「最近は、話すと疲れる」と言うのだ。「そりゃあトシだ」という私に「…かもしれんが、女子は好きだが男子は疲れる」とブツブツ続ける。そういう私も同じ傾向で、25歳未満の男子と話すと疲れる(女子だと疲れないどころかうれしいのは、何故?)。ちなみに25歳男子でも野北町の林光君のような(遺憾、これは書けない。林光君と男同士の約束をしたのだ)青年だったら、気にならない。やっぱりトシかなぁ…。

 などと思いつつ、今月の性懲りもなくグダグダと6頁もうら広報を書いてしまった…と反省し、筆を置きます。何か面白いことがありましたら、お便りをください。えーと、桜の季節。お花見などで飲みすぎないよう、健康にはくれぐれも気をつけてください。それでは、また…(ふふっ、うら広報も、だんだん定着してきたなぁ)

担当:泰平 楽 (1992年3月31日)

(平成4年4月号(田高町への手紙)に続く)

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