遺伝は怖ろしか~、地肌が見え始めとーよ。

後頭部は普段、自分で見ることはできない

 さて、打ちひしがれたのはそれだけじゃぁない。先日、風呂上がり、ゴロゴロしながらテレビを観ていると、後方から私の母ぁ様が「あんた、アタマ薄うなったネェ。いやぁ、遺伝というものは怖ろしいもんやネェ…「地肌」が見え始めようよ」。とつぶやきました。「うっ!本当?」雷に打たれたようなショックが、全身を貫きます。「ホント、ホント」「そ、そんな~」(ウソだ、ウソだ)「最近のあんたを見ていると、よく食べるしブクブク太ってブタにはなるし、頭までこうなっちゃぁ…ますます嫁さんが来なくなるネェ」「ううっ!!(おい、母親の言う言葉かよ?)」

 そこに、富子(祖母)が登場「あんた、また酒ば飲んどろ?顔は赤いし、むくんどるよ」(顔は赤いのは風呂上がりだから。顔がむくんでいるのは元々)「……」母と祖母、2人で責めてきました。「まったく、もう、お見合いさせりゃあ断るし(断られるケースがほとんどだが、そこはまあ家族愛)、好きな女の子がいる様子はないし、アンタいったいどげん考えとーとね(どのように考えているのか)?」「…う、うん…(生返事)」

 そういえば、先日の職場での歓送迎会で前企画課長も「泰平クン、どう考えとーとね。いやっ、失礼を承知で言うけど“切羽詰まっている…後がない”状態だろ。もう、すでに女の子を選べる身分じゃないだろ(本当に失礼だ)」と言われるし、釈迦郡三町企画課の歓送迎会でも、ある人から「あなたのお爺さん、背が高くて穏やかな人柄らしいわね…あんたとは逆のタイプだったらしいけど…(生まれる前に死んだ爺さんのことなんて知らんがな)。お母さんも美人で…何でまた、ははは」などと言われ。(ちなみに母は若いころ、郵便局の美人4姉妹と呼ばれていたそうで(不確かな情報)。長女のオバは、ミス津唐に選ばれかけたが辞退したとか(まったく確かではない情報))。

 とにかくこの1週間はいいことなし。先週、帰ってきた兄も(崎長県早諫市から)「おまえ、えらく頭が薄くなったねェ。早く結婚したほうがいいぜ」という。若いころの兄は「俺は結婚なんかしねェぜ」と豪語しとりましたが、家族の心配をよそに一昨年、相手を見つけてあっさり結婚。子どもが生まれてからというもの「結婚はイイぜ、子どもはカワイイし(自分の子どもだから可愛く見えるだけだよ)ハゲないうちに結婚しろよ」と説教をするような男に成り下がっていたのでした。

ふん!!

 とにかくこの1週間はイイことなし。後輩の光野(コイツも子持ち)も「泰平さんにいい娘さんを紹介してあげたいんですけど、なかなか(〇〇〇)女の人はいないんですよォ」と言うし…。【クイズ】前の(〇〇〇)に正しいことばを入れよ。(1)可愛い、(2)美人の、(3)頭の良い、(4)気立てがいい、(5)もの好きな、(6)スケベな、正解は書きたくない、絶対書かないぞ。(クイズの答え(5)でした……答えてどうする…)

けっ!!

 ちなみに、妙にテレビCMが気になる。マープ増毛法やヘアプラスなどのCMである。母親からの「地肌が見えているよ…」の一言にショックを受け、髪型をオールバックにしてみましたが「かえって目立ちますよ」の後輩、光野の言葉にダブルショック。ううっ、しかし「風を地肌で感じるマープ増毛法」っていうのは、なかなか男心をくすぐるコピーである。広報編集も、こういう男心をくすぐるコピーを考えつくようなセンスがほしいもの…。しかし…いくらくらいするのかなぁ…?30万円くらいかなぁ…?

 しかし、気持ち的には”カツラ”をかぶるのはいやだ。(CMで「カツラとは全く違う増毛法」コピーライターの男心のもてあそび方が半端ない)いや、それ以前にウケるなら恥ずかしくてもやらかす(酔うと特にひどい)性格なので、真面目な会議の席上でスルリとカツラを外し「あー、涼しい」などと言い、意地悪な笑いを狙いそうである。ほかにも、原状回復のための“毛生え薬”もあるが、効果が不明確だし、高い(いろいろと挑戦済)。抜け毛を少しでも食い止める“育毛剤”は臭いし、頭皮がカッカと火照ってかぶれる場合もあるのでイマイチ好きじゃない。”攻めの育毛“というコピーはいただけない。

(平成4年5月号(参)に続く)

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