朝まで眠れなかった、友人・剛浦

当時は、純情だったのだろう…

 照りつける太陽、まばゆい砂浜。そう!!もうすぐ7月、海開き。ふんふん、ハイレグ娘たちが毘沙門町の海岸に出没する、ううっ、うれしい夏がやって来たとでごわす(おっと、鹿児島(かごんま)弁だ)。るんるん、テレビではキンチョールの意味不明なCMにショーケンが出演する昨今、いかがお過ごしでショーか?さて、私と言えば…けけっ、5月病を6月まで引きずり、うつ状態(ひえええ)。な~んもイイコトなしですバイ。

 しかぁし、持って生まれた健康顔(非常に血色がEのでありんす)。たとえ宿酔いで胃がムカムカしていても、風邪をひいて熱があっても、エイズにかかっていても(かかっとらんワイ…たぶん)顔色がすっごくいいのである。まぁ、うちの課の女性職員(代田さん:うら広報の愛読者)によれば、機嫌が悪そうなときは顔の外側が黄色くなっているとのことで、やけ酒の飲みすぎで肝臓がグチャグチャになり“黄だん”の初期症状が出てきているのではないかと心を痛めているところであります。(おおっ、自己脅迫じゃぁ…)

 しかしまあ、人事異動でたくさんの人が広報担当から離れました。巾矢町も田佐町も、うらやましいなァ。特に田佐町のT田池さんは、思惑どおり後輩の浅井君にバトンタッチしたそうで…うらやましい。私も「こいつなら」と思える後輩を見つけてバトンタッチしなきゃ…。広報担当を続けて髪の毛を失うか…それとも、バトンタッチして「うら広報」の最終回を出すか…厳しい選択です。しかし、この「うら広報」も3年目に突入。書きためた「うら広報」もかなりの量になってしもうたとです。(おっと、釈迦弁だ)

 ちなみに、最近になって広報交換を始めた担当者で「バックナンバーを見たい」というもの好きがいらっしゃいましたら、お便りください。こそ~っと送ったげます。(なに、別にどうでもいい?…チッ)さすがに最近は、ネタが少なく(というより、前に書いたコトと同じコトを書きそうになる)さすがにちょっと苦しい。(おーい、石立君、元気か?)しかも、読み方を間違えると明るいと思っていたネタも暗いネタになってしまう。先日も手首を切る女性について、ブラックジョークのつもりでウケると思って話したら、ドン引きされ、人でなし扱いをされてしまった。ううっ。

 こーゆーネタ切れのときは、悪友・剛浦の話に限る。「うら広報」に何度も登場する高校時代の友人である。担任の澤福先生によると、学年で私と彼は1・2位を争うぐうたら者だったとのこと(自慢にならない)。剛浦は岡福市内からの自転車通学で、通学途中でカバンは落とすし、電柱にぶつかって前歯を全部折るし(折れたのは挿し歯。彼は小学校2年生のとき自転車ごと肥溜に落ち、そのとき前歯を失った)バス通学に切り替えてからは、走行中のバスから怖いお兄さんを「バ~カ」と罵る遊びをしていてひどい目に遭うし(罵られたヤクザがバスを自転車で追跡、停車させ、剛浦を締め上げたとのこと。「ごめんなさい」が通じる相手ではないと後悔していた)極楽とんぼな性格の友達であった。

 2人は、たとえ期末テストの前日であろうと、放課後は商店街をブラブラとうろつき、本屋でオナラをして逃げたり(剛浦)。たこ焼き屋で大将のハゲ頭の状況を細かく分析しながら笑い転げたり(剛浦)、万引き…(しとらんワイ)とにかく能天気な毎日を過ごしていました。16年前の今頃、私と剛浦は宛てもなく商店街をウロウロしていました。「泰平。喉が渇いたぞ。何かおごれ」「おう、精のつくもん飲もうぜ」私は「うれしいとメガネが落ちるんですよ」と言いながらオロナミンCを選んだ。剛浦は、たいそう悩みぬいたあげく「スメル」という飲み物のビンを手に取った。初めて見る商品である。

 「うっ、これは…マズイ」剛浦が言った。「もしかして、それって精力剤じゃないのか?」ビンのラベルを見ると“高麗人参”とか“牡蠣肉エキス”とか書いてある。ここから私のウソが始まった。「こーゆー飲み物は、6時間後くらいから効き目が出てきて、朝方まで続くそうだぜ。HNKでも言っとったぞ」剛浦はフフンと笑いながら「ウソ?」「うん、初めて精力剤を飲んだ高校生が理性を失い、母親を犯したというニュースがあってたなァ」剛浦は、やや真顔になり「んな、バカな…」軽いジョークのつもりで言っただけである。

 剛浦は帰宅後、夕食を済ませると自分の部屋で手足を縛り、布団にもぐり込んだそうである。翌日、朝まで眠れなかったと苦情を言っていた。

(平成4年7月号(弐)に続く)

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