うら広報まんだら～平成４年７月号（四）

ヤクザが家にやって来た…富子婆ァさん出陣

　今日も雨、梅雨はジメジメしてイヤなもんです。（う～ん、気づいたら下ネタになっている…反省）しかたないので、祖母・富子婆ァさんの話をしましょう。今回は、ヤクザが我が家にやって来たお話です。あれは、私が中学３年生の夏休みの昼下がりのことでした。富子婆ァさんと一緒にＨＮＫ”昼のプレゼント“を見ていると、玄関にお客がやって来た。お客はやにわに「こらあ、長男を出せェ！釈迦高校に行っている長男だ」と大声を上げた。そうです、小指が短く（指先がない）、肩に奇麗なお花を（刺青で）描いているイナセなお兄さんがやって来たのです。

　怯える母・康子を尻目に「何でござっしょうか（何かご用でしょうか）？」と富子婆ァさんは明るく（単に怖いもの知らず）対応します。「あんたんとこの長男が、オレの女に手ば出したったい！どげんかしないや」「あらっ、そげなこたァござっせん（あり得ない）。長男はけえがれやけん（オクテだから）そげなこたァしきりきませんバナ（できません）」とあっけらかん。「じゃかましいわい」怒るヤクザ。「お前んとこの長男の泰平健一は…」とボルテージを上げる。「えっ、健一？健一さんはウチの長男じゃなかですバイ」

　「へっ？」驚くヤクザ。「ウチの長男の名前は洋行。健一さん家は農協の向こう側ですバイ。あーた家ば間違かいちゃーもん（あなたは家を間違えているよ）」と明るく答える、祖母・富子。「あっ、そらぁすんまっしぇん（すみません）」あやまるヤクザ。そそくさと立ち去ろうとするヤクザを呼び止める富子「今から、行かっしゃーと？家の分かりにっかですばい（分かりにくいよ）」「ちょっと地図ば持って来ちゃり」「こりゃあ、重ね重ねすんまっせん」恐縮するヤクザ。ヤクザは、ペコペコと頭を下げながら立ち去って行った。次の日、泰平健一さんの家は大騒ぎだったとのウワサを聞きました・

　最近、家族ネタが多くなり、特に祖母・富子ネタに固まってきた。まあ元気者の富子（本人は病気がちというが…）も寄る年波には勝てず、最近は耳が遠くなり都合の悪いことは聞こえないフリ。（これがまた、悪口だけはよく聞こえるんだ）

　まあ最近は毘沙門町３大やかまし婆ぁさんたちも滅多に来なくなり、ネコと近所の子どもたち（隣は小学校）を怒りつける毎日。（婆(1)マルミさんは商売（いかがわしい健康食品の販売）が忙しく、富子に品物を売りつけるときと集金のときしか来なくなり、都合よく使われていることに気づいた泰平家（主に富子）のマルミさんへの対応が悪くなった。婆(2)オミヤさんは、歩けるようになったものの世話をする長男の嫁への態度は依然きつく、怒った嫁は単身赴任中の夫のところ(大阪)に行ってしまった。知り合いに片っ端から電話をし、嫁の悪口を垂れ流しているらしい。）

　さて、６月25日から28日まで４日間はお休み。休日出勤の代休と手つかずの有給休暇を１日使いました。心も体も、とても疲れていました。せっかくの休日だから仕事のことを考えるのはよそうと思い、大量に本を買い込み、ビデオもどっちゃりとレンタル。オタク族の生活に入った。（ううっ、５月病がまだ治っていないんだ…ホント）特にビデオは４日間で15本（そのうち２本は「吉本新喜劇ギャグ100連発」…オタクの極みだろ）。テレビの前で笑い転げ、手に汗握る４日間が過ぎました。（ロバート・デ・ニーロの「真実の瞬間」や「バック・ドラフト」は良かったぜ）

　そこでフッと考えた…創作活動はいいなぁ～、またマンガを描こうかなぁ～、で、雑誌社に投稿しようかなぁ～。もともと、マンガ家には憧れていたもんなぁ～。もしかしたら「うら広報」をお休みすることがあるかもしれませんが、作品ができたら披露しますので、そんときゃご容赦ください。一応、24ページくらいでギャグストリーにしようかと検討中。どーせ彼女もいないし、いっちょ描いてみるか…。（彼女できたら、彼女優先だけど…）

　さて、８月末には全国広報大会が岩手県で開催されます。行けるかどうか、また行けても自分が行けるのか（表彰なら俺がという人もいますし…）今のところ不明ですが、もし行けたら飲んで大騒ぎしましょう。九州のお酒を担いでいきますので、岩手県の皆さんの仲間に入れてください。

　しかーし不幸にして行けなかった場合は、８月末に岡福市で開催される治自労全国大会のマンガコーナーにいます。広報マンで組合役員をしており、岡福までやって来るという命知らずのタワケ者がいましたら（ちなみに一昨年の山和歌大会に出席したタワケ者は、私です）声をかけてください。似顔絵コーナーで若い女性ばかり描いているヤツがいたら、それは私、変態の泰平で～す。しかし、やっぱり岩手に行きてーよー。ということで、インキンには十分に注意を払い、じめっこじめっこした梅雨を乗り切ってください。

５月病がまだ治らない：泰平　楽　（1992年6月17～29日）