楽しいタクシーの運ちゃんとの会話(その2)

ビリビリ来るのがイイらしい

 昨年、青森に行った時のタクシー運転手さんも、とても面白い人でした。夜、飲んでホテルに帰る途中、ちょっと東北訛りのあるしゃべり方で「お客さん、いい気分だねぇ」「運転手さんも、よく飲まれるんですか?」「ああ、ワシは毎晩飲みますよ。この仕事も結構ストレスたまるし…ふふふ」「へーっ」「晩酌は楽しみですよ、今年からテレビのネット局も増えたし、巨人‐阪神戦を見ながらチビチビやるんだよ」「巨人ファンですか?」「おう」「東北は、お酒が美味しいしうらやましいですね」「うふっ、ワシは清酒は飲まん。頭が痛くなるからなぁ」「もったいない、あんなにお酒が美味しいのに」

 「ワシは、ウイスキー党じゃ」「じゃあ、ウイスキーにはうるさい方ですね?」「まあね」「外国モノとか?」「いや、ワシゃあ国産がほとんどだ」「お勧めは?」「やっぱり、サントリーレッドだ。あの、舌にビリビリ来るところがいいねぇ」「レッドですか?」「んだ、他にも焼酎もいいなあ。ホワイトリカーなんて舌にビリビリ来て旨いよ」「ホワイトリカーですか?」「日本は安くてうまーい酒が多いねえ」「あのぉ、リザーブなんか飲まないんですか?」「飲まん。高いだけで舌にビリビリ来ねえからなぁ」「お客さん九州?」「はあ」「九州はイイねぇ。焼酎ばっかりでしょう。旨えもんな~、舌にビリビリ来て…」

 「イヤ、僕ら福岡なので…、焼酎は熊本県から南の方で…」「酒のアテは何かい?サトウキビでもかじりながら飲むのかい?」「いえ、だいたい魚です。鹿児島や沖縄では豚肉も多いようですが…」「沖縄か…沖縄の泡盛の新酒は旨えなぁ。舌にビリビリ来て」「泡盛は古酒が旨いですよ」「古酒は飲んだことねえけど、舌にビリビリ来るのか?」「いえ」「ビリビリ来ねえか…そうか」「やっぱりこっちは、酒の肴は魚ですよね?」「うん、筋子はイイねぇ」「塩辛いですよね」「それがイイんだ。筋子さ口に入れて、口の中が生臭く塩っ辛くなったところにレッドさ流し込む。舌にビリビリ来て、これがまた、たまんねぇ」

 人には、それぞれ好みがあり、それに対して他人がとやかく言うべきではない。

 ちなみに地元でタクシーに乗ると、だいたい顔が知られているので、うかつな話はできない。区長さんが運転手ということもある。「おっ、あんた役場の人やろ?」「はあ」「俺は△△地区の区長バイ」「どうも、いつもご迷惑かけてます(一応、お客なんだが)」「あんた、いつもカメラ持ってウロウロしよろ?顔、知っとう」「ありがとうございます(一応、客ですが)」「市制施行前で忙しかろ?」「はあボチボチ…」「よかなぁ…酒やら飲めて」「はあ?」「忙しかったっちゃ、酒の飲めてよかなぁ」気が滅入っているときに限って嫌味を言われる。まあ、それでも降りるときには「頑張んしゃいよ」と言ってくれる。

 うーん、今月号のうら広報もたいしたネタがないと思いつつ書き始めたものの、タクシーの運転手が降臨し、気がつけば8ページも書いてしまった。最後に……岩手の大会では、皆さんお世話になりました。顔と市町村名が一致した広報マンには写真を同封します。今月号から新たに広報交換を始める自治体もありますが、末永く、よろしくお願いします。

追伸……2日目のスナック「エコー」では、途中で勝手に帰ってすみませんでした。体調悪く、2回ももどしてしまい、挨拶もなしに帰らせていただきました。ううっ。

女の子には弱いオトコ:泰平 楽 (1992年9月24日)

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