すごい特集組むより、まずはお嫁さん

 さて、最近は映画づいていると言うか、県研修会の帰りに「マルコムX」を観に行ってから(えっ?一人でだよ)というもの、ビデオを借りまくっています。そうです、レンタルビデオを借りると“返しに行くときにまた借りてしまう”という無限ループのパターンにはまるのです。この1か月の間に20本も借りてしまい、毎日がホームシアターです。忙しいのに、寝る間を惜しんで観る。バカですね~と思っていても観てしまう、まるで薬物中毒。まあ、借りたものの中には、カスのような映画もありましたが、ううっ、コイツはすごい、感動したというものもありました。

 「JFK」もよかったが理屈っぽい。テレビドラマのようで、映画にする特別な理由は感じられなかった。「氷の微笑」やロバート・デ・ニーロの作品も怖かった。一番よかったのは「フライド・グリーン・トマト」。「ミザリー」に出た女優と「ドライビング・ミス・デイジー」に出た女優の演技、そして、過去と現在をオーバーラップさせながら物語を展開させるテクニックは最高でした。そのほか、黒澤明の「七人の侍」も借りました。この作品、何回見ても凄いですね。特に、表現手法とそのテクニックは凄すぎる。他の黒沢作品も何本か観ましたが「七人の侍」は最高傑作です。

 さて、映画の話は置いといて、先日、海鳥町の橋高さんからお便りが来ました。「広報そのイメージ2」と一緒に…。広報紙については、各担当者それぞれのイメージや考え方があるので特にコメントはしません。同封のお便りは「磨播町の鵜瀬君と仲良くしてね♥うふっ」(ここまで明るい書き方ではないが…)という内容。いや、別に彼と仲が悪いわけじゃありません。どちらかというと、あーゆーキャラクターは好きです。例えば「好きなら一晩を同じベッドで過ごしなさい」と言われりゃ、そりゃあイヤですが…。また機会があれば「お話ししたいなあ」と思っております。今度は酒でも飲みながら…。

 さて、人事異動の内示が出ました。ううっ、皆さん長い間いろいろとお世話になりました。移動しました…係長が。ううっ、うら広報は最終回にはなりません。今年もよろしくお願いいたします。しかし「異動するかもしれない」と思うと、あのことも特集しときゃよかった、このことも書きたかったと、いろいろ素案が出るものです。例えば、農業特集。まんだら市の山田錦(酒米)の品質は国内でもトップクラスだそうで、関西あたりの酒蔵から、生産農家を指定して直接買い付け(坪買い)に来る。また、黒毛和牛で日本一になった畜産農家などインタビューしたい人はたくさんいる。

 次に、文化特集。焼き物から染め物、日本刺繍から日本刀の鍛冶職人までまんだら市や隣の釈迦町には芸術家がたくさん住んでいる。そういう人たちが何故、活動の場に釈迦郡を選んだのか…インタビューを中心にした特集を組み、私たちが住むこの地域の魅力をあぶりだしてみたい。そして、災害特集。釈迦郡は自然災害が少ないところ。しかし、一昨年の台風では1時間当たりの雨量が日本観測記録を超え、甚大な被害が出ている。明治時代には大規模地震も起こっている。これらの災害をオーバーラップさせながら、防災について一人ひとりが自分のことと思えるようなものをつくりたい。

 最後に、古代史特集。まんだら市には「魏志・倭人伝」に出てくる古代曼荼羅国があり、その歴史は古い。隣の毘沙門町には、釈迦富士と呼ばれる山があり、その存在感が釈迦地域のシンボルであることを主張しているような山、蚊帳山。この山の「カヤ」という名前、古代の朝鮮半島の南部にあった伽倻王朝と関連が深いのではないかという説もある。この王朝の住人は倭人と呼ばれていたらしく、日本人や日本文化のルーツではないかというもの。このへんになると、学説や政治的な思想などがいろいろあってゴチャゴチャしているので、よくわからない。しかし、組んでみたいテーマではある。

 しかし、人事異動がなく「今年も広報担当だ」と思うと、やや腰砕けになる。まあ、本当に異動になるまでに「一つでも組めたらいいな」と思う今日この頃です。しかーし、こういう特集を組むより、まず、お嫁さん。ううっ、今年こそは何とかしなきゃ…激しく、ううっ。何とかしなきゃ…ってなわけで、今年もよろしくお付き合いください。んでもって、何かありましたら、便りください。待っちょります。

 追伸:自己顕示欲の強い私は、いつも自分の似顔絵を入れておりましたが、今月号から新企画、今月のカットシリーズで行きます。ちなみに、市町村広報紙に限り、ご自由にお使いいただいても、カマハイレ、カマハイレ(トムとジェリーのアニメより)。

「今年も広報担当だ」と思うと腰砕けになる:泰平 楽 (1993年3月29日)

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