黙々と、女性生殖器のイラストを描いていました

 さて、うら広報2月号で書いた「波津区老人クラブ会長」の件ですが、内々で会長は香川さん、交換条件として副会長に父・匠が選ばれることになっていました。しかし、直前になって香川氏が「校区身体障がい者協会の役員」を引き受けることになったため内定は白紙に…。世間は、父・匠が会長を引き受けるものと思い「親子2代で老人クラブ会長、息子は消防団の班長」とまるで、朝日新聞地方版の見出しにでもなりそうな現実を期待していました。しかし期待を裏切り、マッチャン(町口さん)に決定しました。マッチャンは会計の候補者でしたが、実は会長の座を虎視眈々と狙っていたのでした。

 マッチャンは昔、波津区行政区の区長を長くしていましたが、持って生まれた調子の良さが仇となり、人望がなくなり、再び会長職などは無理と思われていました。(ここからは広報の文体で)会長に決まった町口さんは「これからは、私の知り合いの旅行会社に頼み、年に1回はみんなで旅行をしたい」と熱い口調で語っていました。会員の中には「私はマッチャンが嫌い。誰が旅行なんかに行くものか」と新しい反発集団もでき始め賑わいを見せていました。今後の活躍が期待されます。(写真説明:熱弁をふるう町口さんを尻目に、悪口を言うお年寄りたち)~追伸:代田さんのお母さん、バラさないでね。

 さて今月号は、乳がん、子宮がん検診の記事があり、一人、黙々と女性の生殖器のイラストを描いておりました。そう「こういう姿、人には見られたくないなぁ」と思いつつ。しかし、こーゆー時に限って人に見つかるものである。しかも、若い女性だったりする。同じ職場の代田さんが「あっ、それってもしかして…」「そう、小宮悦子さん」淡々と応えないと、変に言い訳などの言葉を加えると変質者に思われてしまう。仕事です。あくまで仕事。しかし、こういう絵を描いていると、つい真面目な話をしたくなるものである。その日の昼休み、先輩の良林氏と真面目な話をした。

 「今、子宮のイラストを描いているんですよ」「少し恥ずかしいだろ?」「ええ、かなり」「しかし何だな、子宮は赤ん坊に育つところだから、恥ずかしいなんて考えちゃだめだ」「ええ」「しかし不思議だ。愛のない性行為でも、そのメカニズムから子供はできるんだ」「えっ、愛のないセックス?」「いや俺のことじゃない、例えばの話だ。つまり種の保存という視点では、仮に強姦であってもできちゃうってことさ」「子供のことを“愛の結晶”なんて言いますよね」「そう、その愛さ…こう言ってしまえば身もフタもないが、優位な遺伝子を継承するために愛があると言っても過言ではない」議論は白熱する。

 「つまり強い個体がハーレムを作る猿山が、人間にもあるということですね」「人間の場合は“強い”だけでなく、知性や才能などの選択肢が広い。種の優位性のバリエーションが豊富なんだ」すると、横で聞いていた後輩の平山が話に加わった。「じゃあ、人間が一夫多妻制ならば、泰平さんの状況はさらに厳しくなるわけですね」「うーん、そうかもしれんなあ」「ところで平山君は僕を引き合いに出しているけど、状況は君も同じだろ?」「いえ、僕には彼女がいて11月に結婚が決まっているので、同じではありません」「うっ、そうか、決まったのか。お、おめでとう。し、し、幸せになりなよ」……けっ!

 けっ!けっ!けけけ!と言い続け、月日が経って3月26日(金曜日)。午前中の青校が終われば広報4月号の印刷を待つだけ。午後から取材を一本片付ければ、今日は何もすることがない。(ふふっ、写真整理は終わったし、送られてきた広報紙はバインダーに閉じたし、後は、うら広報を完成させるだけ)しかーし、今日は、じ・人事異動の内示がある。広報の仕事は嫌いじゃないが、国体に台風災害、そして街の未来が大きく変わる市制への移行と、この4年間、全速力で駆け抜けてきた。激務だった。死ぬかと思うこともあった。変わりたいような、変わりたくないような…(結局、変わりたかったりする)。

 まんだら市の場合、前任者が4年、その前が1年半、その前が半年、その前が1年半、その前が1年と早いサイクルで広報担当は異動してる。以前、県コンで特選を取ったときの担当者も1年で異動している。(この時の担当者は前係長の高祖氏。前から広報交換をしている人ならご存知でしょうが、色男の高祖、ど助平の高祖、後家殺しの高祖である)一応、人事から“意向調査”なるものがあり「ほかの仕事に変わりたい」と意向は書いているので期待もしている。(広報から異動したら…ふふっ、お嫁さんをもらうぞ)しかし下馬評では、変わらないだろうと言うのが大方の見方…くくっ。くく81。

 しか~し、あと数時間経てばはっきりする。「広報を卒業しました」と書くか「今年もよろしく」と書くか、ドキドキ、ワクワク、ムチムチ、ウッフン♥。こ、広報を離れて時間ができりゃ、やりたいことがいっぱいある。「パンティー脱いで待ってるワ」などという嫁も見つけたい、パチンコだって心ゆくまでやりたい(お金があればね)、何よりマンガを描きたい。まあ、そうなれば、このうら広報も今回で最終回。少し寂しい気もするが、できることなら広報大会なんか、仕事を休んででも行きたいね。やっぱり、広報の一番うれしいところは、人と人との出会いだもんね…しかし、まだかなぁ…内示。

(平成5年4月号(参)に続く)

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