私が講師をすると、それはステキな「子守歌」

 毎年6月に釈迦地区1市2町では、PTA広報担当者などを対象とした「広報研修会」を行っている。昨年は私が講師でしたが、口(話)下手で対人恐怖症気味の泰平のこと「ううっ…」を連呼し、額に汗して講義したものの…参加者の評判はすこぶる悪かった。そこで今年は珂那川町の広報担当・志浦君にお願いすることとなった。尻込みする志浦君を「講師とつっかい棒は、遠い方がよく効く」と訳のワカラン説得で強引にお願いしたのである。志浦君はガタイもでかく、最近、お父さんになったばかりのナイスガイである。「これで講師をせずにすんだ」と安心しておりますと、日春市の藤内氏から電話があった。

 「もしもし泰平さん…5月22日か29日、どっちかヒマ?」「おー藤内君、久し振り」「ああ、泰平さん久し振り…」あいさつのまえに用件を切り出そうとする藤内君、ピーンといやな予感がした。「な、な、何か用か?」「うん、日春市でPTAの広報担当者の研修会をするんだけど…」「うっ、オレ、下手、はなし…」「まあ、そう言わずに…」藤内氏に押し切られ、とうとう講師を引き受けされてしまった。う~ん、悪夢だ。ちなみに、うら広報の読者の中には、泰平はアホとか、めっちゃ明るいというイメージをお持ちの人もいるようだが、意外と無口で性格も暗かったりする。

 昨年、県が主催した1年未満の広報担当者研修のときもそうである。県からの講師依頼を断り切れず、結局、革安手町の石立君を引きずり込んでしまった。資料だけは立派なものをこさえたけれど、お話は石立君に任せっきりで、何とか2時間を凌いだ次第である。「せっかく研修会に参加したのに、話が“ふくさやの辛子明太子(福岡で流れる「食べんと、ワカラン、ワカラン」が耳につくCM)”だったわ」と言われそうである。何とか引き受けまいとグダグダと言い訳する泰平に、藤内氏は付け加えた「PTAの広報ですよ。日春市の奇麗どころの若奥様が、いっぱい来るんですよ」

 その手には乗らない。「奇麗どころと言っても、奥様だろ…若い独身娘は来ないのか?」「来ません」「じゃあ、藤内君が気を利かせて日春市役所の若い独身娘を用意するというのはどうだ?」(口下手と言いながら、心はすでに若い独身娘に走っている泰平…ああっ、さもしい)「う~ん、若い娘ですか?う~ん、酒ならいくらでも用意ができるんですがね」(どうやら藤内氏、若い娘には人望がないようだ)「酒?」「そう、講演の前にキューッと飲めば、怖いもんなしですよ」(おいおい)「とにかく資料を送ってください」とうとう、引き受けさせられてしまった。5月29日…日春市…ううっ。

 「ううっ」と言っていると、塚飯市の田辺さん(県の研修会のときはどうも)から手紙が来た。しかも、市役所の紅一点であるという若い女性職員の手紙も添えてあるではありませんか?(藤内君と違って、若い娘に人望があるのだろう)ふふっ“独身”“可愛い”という文字を見ただけではしゃいでしまう私は33歳)しかし何ですなァ…私が知らない人が私を知っているというのは、こっ恥ずかしいものですなァ。広報交換してて、顔は知らないのに手紙を通した知り合いというのは面白いもので、おこぜ町の稔ちゃんなどは顔も知らないのにすっかりお友達(単なる独身仲間だったりする)。

 しかし、顔を知ってる野北町の林光君や革安手町の石立君より、顔も知らない若い独身娘からの手紙のほうが嬉しい。(よっ、正直者!遺憾、鼻水が出てきた)そんなこんなで、いろいろ手紙も来ますが、中でも多いのが「まんだら市の広報紙のイラストを使っていいですか?」という依頼。いくらでも使ってください。使っていただければ光栄です。レイアウトのパクリも構いません。(うふっ、そもそもウチの広報紙のレイアウトがほとんどパクリですから…)お互い様です。うちもパクらせていただくことがあります(「した」だろ?)。住民の皆さんに喜んでいただけるものをつくりましょう。

 さて、もうすぐ6月。鬱陶しい梅雨がやってきます。(若い娘はやって来ない)お見合い話も最近はとんとなくなり、かわりに地自労県本部から呼び出しの電話がかかってきた。「もーしもし、泰平君?今度、組合の教宣研修会をやるから7月の22日と23日、体、開かないかなぁ」(うっ、また講師依頼だ)「あう、あう、いや、下手、話、口下手ですから」と一応お断りをしたものの「いやー、いいじゃない。昨年も、一昨年も講師をしてくれたじゃないのぉ」と、押しの一手。押されると弱いもので、一気に寄り切られ引き受けることになってしまった。

 ちなみに何回も講師をしているものの、ちっとも上達しない。不思議である。昨年の県本部での研修会のときも、私の話は深い眠りへと誘う子守歌であった。なのに、評判がいいのである。研修会の後の懇親会でバカ騒ぎをするからである。最終的に、受講者にとって楽しかった研修会になっているのである。役には立っていないような気がするのだが…。ちなみに、酒の席で必ずバカをする人がいる。父の会社で酒癖悪く、酔うとすぐに真っ裸になってしまうという60歳代の役員がいるそうだ。若いうちは許してもらえるが60歳を超えて「えへっ、えへっ」と笑いながら脱ぐのは虚しいものがある。

 まあ、6月の梅雨を過ぎれば、そこは、はいれぐ娘…夏、生ビールなど飲み過ぎて裸になってオチンチンを出すことがないよう(やーい!広報ウーマンは出せるオチンチンがなくて悔しいだろ~)酒癖にはご注意ください。というワケで、今月はこれで筆を置きます。

PS~今月のカットコーナーは、たった1回でしたが終了します。今月からは、また、私の顔で…

結局、自己顕示欲が強い口下手の33歳:泰平 楽 (1993年5月18日)

県の研修会のとき使った資料の表紙
最初のページ…資料だけはよくできているんだが…

(平成5年6月号(追伸)に続く)

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