北海道、金沢、そしてデート…忙しいのう(1)

 もうすぐ11月。夏の長雨も嘘のように…秋晴れが続きます。今年は大凶作だったというのに、食欲が刺激される「秋」になりました。そう、10月22日から食欲を満喫すべく、北海道に行ってきました。”おーいおーい、北海道♪北海道ーっ♪”飛行機に乗り込むと、頭の中でこの曲が…。毛ガニ、池田町ワイン、夕張メロン、そしてサッポロクラシック。北海道へは役所の同期と行きました。初日はススキノで毛ガニを喰い、エイズが怖いから(本当に怖いのは彼女)風俗店には見向きもせず、今回は「ラーメンやウニ・イクラ丼…北海道の旨いもんを食い尽くす」と、走れメロスのメロスのように固い決意で臨みました。

 しかし、こーゆー旅行は体に悪い。半年かけ4kg落とした体重も、2泊3日の間に2kg戻しました。ビールは切れ間なく、常に酔った状態。福井の番外ツアーと同じです。もちろん観光はしたものの行程のほとんどは記憶に残らず、トイレ休憩の度に買ってくるトウモロコシやイカ飯、ビールなどの記憶。これをペロリと平らげ「気持ちが悪い」と苦しむ思い出しか残っていない。ある意味幸せ。さて、フラフラしながらススキノを歩いていると、果物屋の店頭に”ニイカップメロン”が並んでいます。広報交換をしている新冠町のメロンです。うれしくなり買おうとしましたが…高いのでやめました。根性なしです。

 ススキノも有名な歓楽街、中洲と雰囲気は似ている。違いと言えば中洲は風俗店が南新地に集中しているが、ススキノは街内に点在しているとこくらい。毛ガニをたらふく食べ、ビールをしこたま飲み、幸せいっぱいの笑顔でフラフラ歩いていると、街角の兄ちゃんたちが次々と声をかけてくる。「いい娘がいますよ」定番のお誘い文句である。「いらんばい、今からラーメンば喰いい行くと」酔ってるので方言丸出し。「おっ、お客さん九州からでショー?」「おう、福岡からたい」「ススキノは女の子も若いし、ピチピチしてるッショ」ふんっ、確かに男心をくすぐる言葉である。

「よかよか俺たちゃ中洲で遊び慣れとうけん、ススキノまで来て遊ぼうやら思わんばい」しつこい兄ちゃんたちを振り切り、気分はラーメン。もちろん札幌ラーメンを食べたことがない訳ぢゃないが、あえて書かせていただく…博多ラーメンと札幌ラーメンの基本的な立ち位置の違いである。麺の太さでもわかるように、札幌ラーメンは重い。一般的に博多ラーメンは、飲んで、最後の締めで食べることが多い。それもあって細麺をあえて固ゆでしてもらう。量に不満があれば替玉すればよい。しかし札幌ラーメンは太麺。どちらかと言えばチャンポンに近い。野菜もたっぷり入ってて食べ切るのが辛い。食べ過ぎである。

 「うーっ、食いすぎた」と言って宿に帰ると、先ほど購入した「北の誉」(純米大吟醸)が「うふっ💕私を飲んで♥」という表情でカバンの中から顔を出している。「勘弁してくれ、もう入らんばい」と心は拒否しながらも手は伸びる。結局、友人の文矢君といろんな話をしながら4合ビンを空にしてしまった。

(平成5年11月号(中)に続く)

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