へへ、泰平さん。車に若い女性を乗せてたでしょ?

見栄は張りたくなるもの

 ところが数日後、後輩の光野がやって来た。「泰平さん、長崎に行くよ。原水禁」「おい、俺は行けんぞ」「なーんば言いようとですか?仕事、仕事って。そーゆ―こと言ってたら彼女なんてできませんよ。結婚なんてできません」グサッ!!心に突き刺さる言葉である。「ううっ」「ううっじゃありませんよ、行きましょう長崎県。女子大もあるし、他の市町村などから可愛い女の子がたくさん来ると思いますよ」「か、可愛い女の子が来るのか…」「もちろんですよ。しかも「絨毯クラブ」とか泰平さんの好きな風俗店もあるし、もう、乱れまくりですよ」

 「あのなぁ、お前があちこちでそういうコト言うから、婚期が遅れるんだ。言うとくが、オレは風俗店が嫌いだ」「ふん、単にエイズが怖いだけでしょーが」「まぁ、それもある…」「とにかく行きますからね、仕事、都合つけてくださいよ」普段、後輩の光野に主導権を握られるような私ではないが「光野の奥さんが友達を紹介してくれる…」という言葉に、最近は下手に出ている。(近ごろ、どうも口だけのような気がする。先輩の龍安さんも「妻の友達に可愛い娘がいて、今度、泰平に紹介してあげる」と言うが、さっぱりである。泰平殺すに刃物はいらぬ、縁談話があればいい…ってか。けっ!けっ!けっ!ううっ。

 んで、係長に「実は、今度の土・日、長崎に…」と相談したところ「行っていいよ」と快諾。長崎に行くことになりました。もし、広報マン・ウーマンで「私も長崎の原水禁に行くよ」という人がいたら、治自労まんが集団の似顔絵コーナーにいると思いますので、声をかけてください。できれば、ピチピチの広報ウーマンだったら、すごくうれしいぞ。(血に飢えた狼、32歳の独身男の甘いワナ)最近、テレビで言うとりましたが、結婚平均年齢が、男性約28歳、女性約26歳とかで、最近は恋愛結婚が多いらしい。しかも30歳を過ぎるとお見合い結婚の比率がぐっと高くなるとか…。けっ!!

 先日、後輩の永末が「へへっ、泰平さん見ましたよ」と声をかけてきた。「何を?」「若い女性を乗せてたでしょ。車に…」「いつ?」「先々週の日曜日ですよ」「ほおっ」「ほおっ、じゃないですよ色男。数ある日産サニーでも泰平さんが乗ってたら、すぐわかるんですよ」「どーして?」「顔がでかいからです」ちなみに断られたお見合いデートを見られていた。さすがにバツが悪い。「知らん、知らん」「いや、あれは泰平さんです。国道を津唐方面に走ってたでしょ」「う…ううっ」「ほらね」「うん、かくかくしかじかで、オレのほうから断ってやったんだ(見栄坊)」「いや、知らぬこととはいえ…」恐縮する永末。

 後輩の永末は、自分がデートをしていて私を見かけたという。ふん!「でも、泰平さん」「何だ!」「自分の彼女、美人じゃない、どちらかと言えばブスなほうだけど…一緒にいると情が移ってくるもんですよ」「そーか、彼女はブスなのか?俺は、別にそんなことは気にしないが(若い娘なら)」「なんて言ったらいいか、一緒にいるとかばってやりたいというか…そういう感情になるんですよ」「ああ、なるぞ、何度もあるぞ」「えっ?何度も?泰平さんモテるんですね」「ああ、まあね(フラれた回数分だけ)モテたぞ」後日、永末の彼女を見かけた。とてもかわいい娘さんだった。けっ。

 さて、バルセロナオリンピックが始まりました。開会式があり、そこに坂本龍一がいた。教授、凄いな。世界のSakamotoだ。先日、YMOのリミックスCDを買ったこともあり、古いレコードを引っ張り出して聴いている。当時のメンバーのソロアルバムはもちろん、前の所属バンドのアルバムまで持っているので(それほどYMOに凝りまくってた)たいへん懐かしい。20歳くらいの頃はテクノポップが好きで、クラフトワークなども聴いていた。先日、クラフトワークのリミックスCDを見つけ、即、購入。マニアックで懐かしい。クラフトワークをご存知の人は少ないでしょうから、いったん筆を置きます。

(平成4年8月号(四)に続く)

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