帰国した泰平さんには近づけんなあ~

 4月も残すところあとわずか。そう、もうすぐゴールデンウィィィークが始まります。しか~し、実際の話この時期はイベントや行事も多く、広報担当者は思うように休めない。ううっ、広報マン・ウーマンの哀しい宿命なのぢゃ(デートの約束なんかしてたりすると、仕事なんか放っぽっちゃう……残念無念の無花果浣腸。誰か幸せを半分よこせ…いじいじ)さて“いじいじ”してても始まらない。ってなわけで、この黄金週間を前に韓国に行ってきました。…と、軽ぅく流したものの、海外旅行は初体験。パスポートを取ったり、事前準備が進むにつれて少々の不安もありますが、初めての海外旅行にワクワクもします。

 あれは出発の1週間前のこと、そう、毎度登場の後輩光野にポロッと言いました。「俺、来週から韓国に行くっちぇ」すると光野は大声で「ええっ!韓国、泰平さんエッチか~!!病気もらうよ!!」「おいよせ、そう言う目的で行くんじゃない」「うそ~泰平さんのことだから、きっと“いかがわしい”ことが目的でしょ。うわっ、いやらっさ!」「言うとくがな、真面目なツアー、韓国の文化財巡り…しかも親父と一緒に行くんだ」「ええっ、親子で“いかがわしい”ことをしに行くんですか?泰平さん親子は変態親子なんですか?」「真面目な、韓国の文化財めぐりのツアーと言っとるだろうが…」と会話にも熱が入る。

 すると、横でニヤニヤ聞いていた春山が「光野ぉ、文化財巡りというのは建前だから“そうですか”と応えときゃいいんだよぉ」「本当に文化財巡りなんだ、信じてくれ、これ以上変な噂がたつと、ますますお嫁さんが…」そう、言えば言うほど信じてもらえない、それが韓国旅行である。つまり“韓国+泰平=いかがわしい”という公式ができている。さらに春山は続ける「だって泰平さん、松重さんが言っていましたよ。ホテルの部屋に女の子が来て、とにかくエッチだそうですよ」「それは、韓国に対する偏見だぞ」「どちらにしても、帰国した泰平さんには近づけんなぁ、病気の怖れがあるもんね」「……」

 そう言われ泰平は役所の友人、文矢に泣きついた「なあ、光野と春山ひでえだろ」「そりゃあ偏見だな」さすがは友人の文矢、えらい。「ところで泰平、もしホテルの部屋に美人の女性が来たら、どうする?」「…おい」「いや…もしもの話さ、真面目な旅行だろ、わかってるって…で、どうする?」(こやつも信じていない)と、いろんなことを言われながら4月23日、青焼校正を済ませ、韓国は釜山へ。飛行機の中で「落ちたらどうしよう」と不安になっているころ、役所の高祖係長(前の前の広報係長)が「泰平は統一教会の合同結婚式のために韓国に出かけた」とまことしやかな噂を流しているともツユ知らず…。

(平成5年5月号(弐)に続く)

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