人間が悪い…連れ合いを殺されたサルの復讐か…?

 まんだら市も都市化が進み、サルたちが暮らしている里山も年々開発が進んでいます。この事件の半年前、県道で車にはねられ両足を引きずるサルを写真に撮った人がいました。撮った直後、仲間のサルがフロントガラスに飛びかかってきたそうです。専門家の中田氏によると、飛びかかったサルと捕獲したサルは同じ個体かもしれないと言う。開発が進むと大きなサルの群れは分断され、小グループになっていくそうです。本来ならば、野生のサルは一夫多妻制なのですが、小グループになり数匹単位までなると一夫一婦制になることもあるそうです。

 サルが理由なく人を襲うことはあり得ないそうです。中には、連れ合いのサルが殺され人間を恨んでの振る舞いとの憶測もあります。しかし、サルは報復を考えるほどの賢さはなく、人間への仕返しなどありえないそうです。檻に入れられ、すっかり大人しくなったサルはミカンやイモは食べますが、バナナや菓子類などには手をつけようともしません。普段、食べているもの以外は口にしないので完全な野生です。

 いま、まんだら市は岡福市の都市圏として道路やゴルフ場など山林の開発が進んでいます。人間たちが活動するエリアが山の方に向かっているのです。逆に野生動物の活動エリアが狭められ、当然、彼らが口にするエサも少しずつ減っているのです。なぜこのような事件が起こったのか本当の原因はわかりませんが、大きな群れが分断されて小グループになった1匹のサルが、人間との共存を否定したことだけは確かなようです。人間が行ってきた山林の開発が野生動物の生きるエリアを奪い、生きることが難しい状況がサルの性質を変え、今まで考えられなかった行動に駆り立てたとも言えます。

 この事件で、まんだら市は有名になりました。「へーっ、サルが出る田舎なんだ」というふうに見られます。しかし人口は増加し続け、市街地を歩いていると昔とずいぶん変わったと思うこともしばしです。確かに山あり海あり、緑と青があふれる素敵な田舎街です。少しずつの変化なのかもしれませんが、都市化していくということは大切な何かを少しずつ失っていくことかもしれません。もしかしたらこの事件が、自然が人間どもに与えた何かの警告のような気がしてなりません。

 いまサルは動物園でケガの治療をしています。しかし、動物園が引き取ってくれる訳ではありません。動物園のサルの群れに入れると殺されてしまう可能性があるのです。また、大学などの研究用にとのアイデアもありますが、歳を取り過ぎていて引き取ってもらえる状況にありません。かといって山に放つと、また悪さをしそうなのでそれもできません。今、サルの飼い主を探しています。

野グソが君を呼んでいる…山中の野グソスポット

 サル騒動も終え、煙草を燻らせ「あー、今年もあと少しか」と時の流れの速さを感じています。外は雪、久々の雪です。今日はテレビ局の取材で山中を歩き回りました。冷たい風と降りしきる雪。一面の銀世界とズズッという雪を踏む音を愉しんでいましたが、寒さと迫りくる尿意に震えが止まりません。山中なのでトイレもなく、テレビクルーに気づかれぬよう物陰で用を足しました。「あああ」気の毒なほどちんちんが縮み上がっています。なぜ寒いと縮むのか。寒さに強い北海道や東北の人も同じだろうか?しかし、山中で用を足すのは哀しいものがあります。オシッコならまだしも、ウンコとなるとひとしおです。

 一昨年の冬、やはり山中に取材で出かけ、雪の山道を歩いていました。取材を終え、下山する途中で突然、激しい便意に襲われたのです。眼下遥かに人家が見えます。あそこまで我慢できるだろうか?時折、冬山登山をする人とすれ違います。「寒いですねェ」「上の方はまだたくさん積もっていますか?」などの声に応えていた私も、そのうち無口になり、厳しい表情で下山する私に誰も声を掛けなくなりました。「もうだめだ」登山道を横道にそれ、50mほど先の物陰に身を隠し、用を足しました。ホコホコと湯気の上がる我が分身を置きざりに、早く立ち去ろうとしましたが…紙がない。

 31歳(当時)にもなって野グソをたれるなんて情けない…しかも木の葉で尻を拭くのは情けなさに追い打ちをかける。彼女には見せたくない場面です(見たい?)。さて、ズボンを上げ足元を確認すると、私の分身の横にもう一つ他人様の分身が…。広い山中なのに、野グソのホットスポットがあることを初めて知りました(以前にも書いたよね…これ)。ちなみに野グソの最中に野生ザルに襲われていたらと思うと怖くてたまりません。きっとマスコミは面白がって書きます。「広報マン、野グソが臭いとサルに咬まれる」このような見出しが新聞に載ると、もう生きていけませんからね。

 さて、くだらんことをグダグダ書きましたが、ふっふっふっ…春はいーねぇー。ぐふっ、も、も、も、もしかしてボツにならなければ、1月号の月刊「広報」で全国デビューするかもしれません。広報を担当して5年、ついにプリプリ…じゃなかった、世間の広報担当者の前に恥…いや、顔をさらすことになったのぢゃー。まあ、ともあれ平成5年は彼女ができるし、福井で友達がたくさんできるし、とどめは月刊「広報」でのデビューととてもいい年でした。平成6年は、もっといい年にしたいものですなァ…ふふっ。何かありましたらお便りをお待ちしています。

来年もよろしくお願いいたします    泰平 楽(1993年12月27日)

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